2008年 01月 08日
ねんしねんまつ2
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藤沢に着いた。弟が自転車で送迎してくれると言うので待つ。強いて言わせてもらえばいい加減車の免許を取れといいたい。少し寒い藤沢の街で立ち往生しながらぼーっとしていると、少しだけ淡い期待をしてしまうのが僕の脳内。
「あれ?ヨシオクンじゃん?久しぶり~。」
「ああ、久しぶりだね。今暇?暇じゃなかったら連絡先でも教えてよ。」
「いいよ。」
と、偶然の再会をした僕達。その後ちょくちょく会うようになり、愛をはぐくみ幸せになりましたとさ。
みたいなドラマのような出会いがあればいいと思うんだ。だがどうだ?現実にそういう経験をヒトはするのだろうか?最低でも僕は「偶然だね」みたいな奇跡の出会いをした経験なんぞ一度もない。偶然と言うのとは少し違うのだが、高校時代に帰りに待ち伏せしてあたかも偶然を装って一緒に帰ったというエセ偶然ならある。しかしこれは作られた偶然であって本当のそれとはかけ離れて違う。計算されている偶然なんてそんなの偶然ではない!
などと、脳内で妄想に更けていたら弟が姿を見せる。僕としては弟よりも先に懐かしい知り合い(女限定)とでも会えばいいのに・・・とか思ったが、現実はそんなに上手くいくはずもなく、当たり前のような事が当たり前のように起こる。
「とりあえず夕飯だけどさ?蕎麦しかないから何か買うぞ」
毎年こんな感じだ。母はおせちに夢中になる為、大晦日のご飯ほどひどいものはない。子供の頃、おせちのあまりものと言うのが我が家の大晦日の通例だ。なので近年は鍋モノを買い込んで飢えをしのいできました。そして今年も。
ダイヤモンドビルの下の食材売り場は年末は大盛況なのか?とんでもない人ごみだった。間違いなく新宿の夜よりも上。新宿の夜は人ごみのなかにも若い女子などがいて少しだけ気分が楽になるのだが、食材売り場の人ごみはそれとは違う。おばさん、おじさんの群れが我先にと食材を買い物カゴにぶち込んでいる。暇になるとデパ地下の鮮魚売り場でマグロの鮮度を見ながらニヤニヤするウチの弟からすれば、「食材をあんまり見ずにカゴにぶち込んでいる輩」を見て絶望していた。
「だめだここは。別の所に行こう」
と言い、次は小田急。小田急もさっきの場所と変わりなく人ごみの群れ。これでは快適な買い物などできない。そもそも間違っているのだ。何でわざわざ年末になって食材を買い込むのだ?お前らは。もっと前々から用意周到に食材を購入しておけばこんなに混まないではないか?お前らは子供の頃に夏休みの宿題を8月31日に慌ててするような負け組だろ!
「いや、ナマモノは買い置きできないからっ!」
と、我が熱弁をあっさりいなす我が弟。まあ正論なので何もいえない。他に空いていそうな食材売り場はないのか?と弟に尋ねてみる。
「ヨーカドーの地下がいいかもしれんな、あそこ食材の質そんなに良くないし」
ちょっと待てお前なんか間違っている。「手にとって食材をきちんと見ろ論者」と言い張るくせ何だそれは?
「じゃあ、人ごみに紛れて食材を買うか?鍋なんだぞ?煮ちゃえばなんでも一緒だろ?」
弟の言い分が、あたかも正論に聞こえてしまうのが怖い。そもそも俺はヒトに説得されやすいのかもしれない。これはやばい!キャッチセールスとか引っかかってしまうのではないか?
・・・でもまあ、可愛い子のキャッチセールスなら聞いてあげても良いかもね(←アホ)
そして無事に食材を買いヨーカドーを出ようとしたら目にとまったシュークリーム屋。微妙に行列が出来ているのだから美味しいのかもしれないが、ただの行列の罠かもしれない。
「あそこのチーズケーキ美味しいぞ!食べた事ないけど。」
と、意味もわからない事を言い出す弟がいたのでついでに並ぶ事にする。きっと僕は長いものに巻かれやすい人種なのだと思う。そしてシュークリーム屋で何故チーズケーキを食べなきゃいけないのか小一時間悩みつつボーっと待っていた。
しかしまあ、この行列に違和感を感じる。そもそも若い(?)男2人が何が好きでシュークリーム屋に並んでいなければいけないのだ?ハーゲンダッツブームの時でもこんなアホみたいな奴らいなかったのではないか?とか思ってしまってはいたのだが、並んでいる客層が若い女子だったので僕個人としては文句は言えない。周りから見た自分など知らん!今自分が見ているこの光景の中にいる事がいいのだ!などと脳内妄想を抱いていた。
無事にシュークリームとチーズケーキをお土産にやっと家に帰ることにする。ヨーカドーから出たとたん冷たい風が僕を包み込む。思わず身震いしてしまいそうなぐらい寒かった。
「いやさ~ここって東京より寒くね?何この田舎!」
と、僕はつぶやいて見た。ちなみに藤沢人との会話だとこういう種の傾向の発言をするが、逆に東京人との会話だと、「都会って何か冷たいよね!」みたいな、あたかも都会否定派になり変わる自分。とりあえず否定から入ってしまう自分が少しだけ情けない。しかも全然芯が通っていない発現w
そんな自分に嫌気が差しつつ家に着いた。
「あれ?ヨシオクンじゃん?久しぶり~。」
「ああ、久しぶりだね。今暇?暇じゃなかったら連絡先でも教えてよ。」
「いいよ。」
と、偶然の再会をした僕達。その後ちょくちょく会うようになり、愛をはぐくみ幸せになりましたとさ。
みたいなドラマのような出会いがあればいいと思うんだ。だがどうだ?現実にそういう経験をヒトはするのだろうか?最低でも僕は「偶然だね」みたいな奇跡の出会いをした経験なんぞ一度もない。偶然と言うのとは少し違うのだが、高校時代に帰りに待ち伏せしてあたかも偶然を装って一緒に帰ったというエセ偶然ならある。しかしこれは作られた偶然であって本当のそれとはかけ離れて違う。計算されている偶然なんてそんなの偶然ではない!
などと、脳内で妄想に更けていたら弟が姿を見せる。僕としては弟よりも先に懐かしい知り合い(女限定)とでも会えばいいのに・・・とか思ったが、現実はそんなに上手くいくはずもなく、当たり前のような事が当たり前のように起こる。
「とりあえず夕飯だけどさ?蕎麦しかないから何か買うぞ」
毎年こんな感じだ。母はおせちに夢中になる為、大晦日のご飯ほどひどいものはない。子供の頃、おせちのあまりものと言うのが我が家の大晦日の通例だ。なので近年は鍋モノを買い込んで飢えをしのいできました。そして今年も。
ダイヤモンドビルの下の食材売り場は年末は大盛況なのか?とんでもない人ごみだった。間違いなく新宿の夜よりも上。新宿の夜は人ごみのなかにも若い女子などがいて少しだけ気分が楽になるのだが、食材売り場の人ごみはそれとは違う。おばさん、おじさんの群れが我先にと食材を買い物カゴにぶち込んでいる。暇になるとデパ地下の鮮魚売り場でマグロの鮮度を見ながらニヤニヤするウチの弟からすれば、「食材をあんまり見ずにカゴにぶち込んでいる輩」を見て絶望していた。
「だめだここは。別の所に行こう」
と言い、次は小田急。小田急もさっきの場所と変わりなく人ごみの群れ。これでは快適な買い物などできない。そもそも間違っているのだ。何でわざわざ年末になって食材を買い込むのだ?お前らは。もっと前々から用意周到に食材を購入しておけばこんなに混まないではないか?お前らは子供の頃に夏休みの宿題を8月31日に慌ててするような負け組だろ!
「いや、ナマモノは買い置きできないからっ!」
と、我が熱弁をあっさりいなす我が弟。まあ正論なので何もいえない。他に空いていそうな食材売り場はないのか?と弟に尋ねてみる。
「ヨーカドーの地下がいいかもしれんな、あそこ食材の質そんなに良くないし」
ちょっと待てお前なんか間違っている。「手にとって食材をきちんと見ろ論者」と言い張るくせ何だそれは?
「じゃあ、人ごみに紛れて食材を買うか?鍋なんだぞ?煮ちゃえばなんでも一緒だろ?」
弟の言い分が、あたかも正論に聞こえてしまうのが怖い。そもそも俺はヒトに説得されやすいのかもしれない。これはやばい!キャッチセールスとか引っかかってしまうのではないか?
・・・でもまあ、可愛い子のキャッチセールスなら聞いてあげても良いかもね(←アホ)
そして無事に食材を買いヨーカドーを出ようとしたら目にとまったシュークリーム屋。微妙に行列が出来ているのだから美味しいのかもしれないが、ただの行列の罠かもしれない。
「あそこのチーズケーキ美味しいぞ!食べた事ないけど。」
と、意味もわからない事を言い出す弟がいたのでついでに並ぶ事にする。きっと僕は長いものに巻かれやすい人種なのだと思う。そしてシュークリーム屋で何故チーズケーキを食べなきゃいけないのか小一時間悩みつつボーっと待っていた。
しかしまあ、この行列に違和感を感じる。そもそも若い(?)男2人が何が好きでシュークリーム屋に並んでいなければいけないのだ?ハーゲンダッツブームの時でもこんなアホみたいな奴らいなかったのではないか?とか思ってしまってはいたのだが、並んでいる客層が若い女子だったので僕個人としては文句は言えない。周りから見た自分など知らん!今自分が見ているこの光景の中にいる事がいいのだ!などと脳内妄想を抱いていた。
無事にシュークリームとチーズケーキをお土産にやっと家に帰ることにする。ヨーカドーから出たとたん冷たい風が僕を包み込む。思わず身震いしてしまいそうなぐらい寒かった。
「いやさ~ここって東京より寒くね?何この田舎!」
と、僕はつぶやいて見た。ちなみに藤沢人との会話だとこういう種の傾向の発言をするが、逆に東京人との会話だと、「都会って何か冷たいよね!」みたいな、あたかも都会否定派になり変わる自分。とりあえず否定から入ってしまう自分が少しだけ情けない。しかも全然芯が通っていない発現w
そんな自分に嫌気が差しつつ家に着いた。
by yoshio5517
| 2008-01-08 00:34
| 昔話